アフリカ・ケニア紀行 ④マサイの戦士
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マサイ族でもライオン狩りは随分前から禁止になっているそうだ。
しかし彼らは、勇敢な戦士であることを、この「戦の舞」で後世に伝えている。
獣の角を「ブゥー・ブゥー」と踊りに合わせ吹き鳴らし、体を前後に激しく揺らす。
最後はご存じ「ぴょん、ぴょん」トランポリンの上で、跳ねているかのように宙高く。
僕もジャンプしてみたが、つま先が離れた瞬間引力に引き寄せられ、到底、彼らの領域には到達できない。
意外だったのは身長が日本人とさほど変わらなかったこと。
顔が小さく瘦せていて手足が細いので高く見えるのね。
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長老の手招きする方角に集落が見える。
住居は、土と家畜の糞を混ぜ、竹で編んだ骨組みに塗り込んだ粗末な代物である。
入口にドアはなく蟹歩行でしか進入は難しく、思えば窓もなかったし、電気も水道も通っていない。
広さは3m四方ぐらいでしょうか、中心に囲炉裏があり、子供部屋、寝室、居間はそれぞれ1帖もない。
とに角、家の中は真っ暗で、フラッシュをたいて撮った写真で確認したところです。
土の家が円形に広場を囲んでおり、長老の一声で、女性達が広場に集まって来た。
家の中を見るのも、一緒に写真を撮るのも、100シリング(100円)要求される。
たった100円だが彼らには大金で、勿論、OK、OKと、こころよく応じたものの
誰かが払うだろうと3人が思っているので、結局、誰も払ってなかったりする。
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広場でマサイ座りをした老人は、不敵な笑みを浮かべ我々に何か言いたそうだ。
近寄ると、おもむろに、割りばし大の棒を板の穴に差し込むと、キリをもむ様にこすり始めた。
「これって、ひょっとして、火を起こしているんじゃないの」我々3人を釘付けにした。
煙が出るまで1分も掛からなかった、火種を乾燥した草に乗せると「ぼっ」と炎が上がったではないか。
こんなに簡単に火を起こすとは、さすがマサイ。拍手喝采でございます。
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僕達の乗っている車は30年前の日産キャラバンで、かなりのポンコツである。
スピードメーターの針は、いくらアクセルを踏んでも0のまんまだし、クーラーもない。
日本の車検は通らないであろう改造したサンルーフは手動で大きく開口し、ここからサファリを楽しむ。
どうも廃車になった車がこちらで再製され、息を吹き返しているようだ。
ちなみにドライバーの給料2万円では一生働いても買えないそうです。
この旧型で2日間サバンナを駆け巡るのだが、肉食獣がいる所でのエンジントラブルだけは避けたいものである。
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マサイ族の視力は5~10あると言われており、廣さんが持って来た双眼鏡並である。
助手席に座る戦士は、ナビゲーター役で、僕達をどれ程満足させるか見当もつかない。
草食動物は無限にいるのですが、僕らライオンズクラブとしては百獣の王ラインオンが見たい。
しかし彼らは夜行性で、狩りも週一回程度、昼間は寝ており、先程のライオンの寝顔は絵にならなかった。
そんな時である、草原の遥か彼方につがいのライオンを発見!
集団で生活する彼らだが、発情期になると、群れから離れ1週間ほどのハネムーンに出る。
「めったに出くわせない光景だ」とドライーバー「オンドッロ」が絶賛した。
見つけたのは意外にも、肉眼望遠鏡を備えたマサイではなく、おん歳、喜寿を迎えた廣さんだった。
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コメント欄
藤江幸子 (2016年12月17日 12:14)
勇敢なマサイの戦士たち、カッコイイですね~♪
それにしても素敵なお写真ばかり!写真展を楽しみにしております。
西村 (2016年12月17日 16:29)
幸子さん、彼らは9頭身、僕ら6頭身、マサイ族はスタイルいいですね。
写真、褒めて頂き、ありがとうございます。
写真展は、よりすぐって、出したいと思います。
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