上海の旅 その4
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思い出の上海 第四話
「 済州島上陸 」
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船の上から朝日と夕日を撮り分けるのは至難の業だが博多を出てからずっと雨でお天道様をまだ一度も拝んでいない。
黒ずんだ雲と灰色の海、風速10mが引力に逆らいデッキに斜めの雨を叩きつける。
山は霞に隠れまさに魔物が住んでいそうな島・・・着きました済州島。
丸い窓ガラスに顔を擦り付け下の様子を伺う。
数えきれないバスの数。
しかし、ひょっと保存キムチ会も楽団も何処にも見当たらない。
歓迎セレモニーって日向市だけなのかな。
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この土砂降りの中、観光は気が進まなかった。
でも団体行動を乱しちゃ悪いし。
先頭で誰かが旗を掲げると一列に蟻になる。
手渡されたレインコートはことのほか貧弱で引っ張る所から破けた。
美々津の県無形文化財佐々木寛治郎さんの「手すき和紙」の方が余程丈夫だ。
ガイドさんが今日の観光で一番大切なことは「出港までに船に返って来ること」と、迷子用に自分の名刺を全員に配る。
話しによると過去に乗り遅れ置いてけぼりなった人がいるだって。
マイクが途切れ最後部の僕には聞き取れなかったが、龍の池と龍の頭のダブルドラゴンとは何だろう。
横殴りの雨に逆らい進んでいくと池ではなく河口の淀んだ淵…龍の頭は波打ち際の「あれです」しかし龍には見えなかった。
むしろ、いやどうしてもと、いうのであれば「ガラパゴス諸島のイグアナ」かな。
日向大御神社発祥の新名宮司が語る「龍神伝説」を聞かされている僕らにこの名所はショボかった。
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溶岩がこの島を形成している、龍以外の奇獣が探せば幾らでも出てきそうだ。
そんなしり目の僕らをよそに龍神を自慢するガイドさんの熱弁はもう20分を経過した。
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次なるは済州島歴史博物館。
博物館といえば戦国武将の鎧兜とか国を助けた英雄の武勇伝があったりするも。
門構えもしかり広々したテラスに建物もずっしりと風格をかもし出し期待が持てそうだ。
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…クワにカマ、イカダと漁師、牛を引く農民、島に生息する動物や昆虫が一杯。
豊臣秀吉も坂本竜馬も刀もなかった。この島に武将・英雄はいなかったようだ。
秀吉はといえば韓国では「極悪非道の大悪党」である。
以前ソウルを訪れた折、400年前の秀吉の朝鮮出兵を未だに許さないと言っていた。
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雨の激しさはさらに増し破れたレインコートから雨水が服を突き抜けお尻が冷たい。
早く船に上がって温かいコーヒーが飲みたい。
さよならチェジュ…ガイド様、日本に来た際は是非大御神社にお立ち寄りください日向自慢の白い龍をご紹介いたします。
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コメント欄
金井ふみよ (2020年05月27日 00:19)
お天気が良ければ チェジュ島も素敵な所だったかもですね。アジアのハワイらしいです。でしたか?
西村 (2020年05月27日 08:47)
金井さん、土砂降りで溶岩だらけでだったのでハワイっていうより桜島ですね。
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