上海の旅 その5
思い出の上海 第五話
「 上海の夜景 」
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夜が明ける…相変わらずの雨。
大陸に突き刺さる揚子江が海から河に代わる頃、両岸に減価償却をとうに終えた大型船が重なるように眠っているのが見える。
始めて見る中国最大都市上海…曇っているだけではなく高くそびえる煙突からのスモッグでグレーの世界…こりゃ40年前の日本だな。
軍艦の砲台は錆びつきスクラップにされるのか修繕するのか…どちらにしても走行不能なのは確かだ。
潜水艦もしかり背中を丸め打ち上げられた鯨のようにピクリともしない。・
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上海のオプションツアー。船を降り、手渡された番号と同じ数字のバスを探す。
バスを止めたのは河川敷の幅30mはあろう広い歩道。ここが市民の憩いの場だという。
歩道は何処までも延び、そこに数えきれない人間が自分の思った方向に進む。
手摺りにもたれて、花火でもない、水上スキーをしている訳でもないのに、ジッと向こう岸を眺めていなさる。
あのつまらない済州島でさえ龍の頭があったのにこの公園には何もない。此処の30分は長かった。
次に連れて行かれたのは、信じがたいことではあるが我々が先ほど眺めていた向こう岸だった。
塩見川の左岸からヤマダ電機を見て、右岸よりホテルはやたを眺めた。あ~あ!
でも夜景は綺麗でしたね。
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露店には駄菓子屋のおもちゃが並べてある。革命王毛沢東のトランプも売られていた。
ドラえもんやウルトラマンすべて日本のパクリだが彼らが肖像権を訴えられないのは、耳が付いているからだ。
延岡のかやちゃんが子供の土産にと7個を1000円で買った。
僕は買いませんでしたけど、今思えば耳のある人形は日本では珍しがられ、価値が上がったかも知れないな。
土産物屋さんと何時までも商談が成立しない廣ちゃん。
還暦越えのおじ様と二十歳そこそこの女子定員の激しい口論はもう15分にもおよぶ。
集合場所に歩いていると後ろから先ほどの定員が叫びながら走ってきた。
OKのサインは商談成立したのだ。
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袋の中を覗き込むと京劇の栓抜きが沢山入っていた。
一つを取り出し「ほら早変わり」…そう言って裏返すと裏にも顔がある。
一つで2度楽しめるのだと握りしめた栓抜きを嬉しそうに何時までも眺めるおじ様。
以前シンガポールでマーラインの栓抜きをお土産に買ってきたが、ダイソーにそれと同じものが100円で売られていた。
日本に帰ったら100円ショップで京劇栓抜きを探そうと思っている。
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コメント欄
かないふみよ (2020年05月30日 22:08)
面白くてめちゃ笑いましたが‥‥。
可愛くない人形が7個で1000円は高い。
コスタクルーズのオプションは良くなかったのですね。今更ですが申し訳ございません。
西村 (2020年05月31日 13:42)
金井さん船の中はすべてが最高でしたよ。
オプションはA~Dランクまであり僕らは5000円ツアー標準クラスかな。
でも楽しい旅でした。また企画してください。
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