大連の旅 その2
・
・
・
・
中国は夜明けとともに始まる。朝6時、廣ちゃんとホテル前の公園を散歩した。
何処までも続く広すぎる公園。
正門を入り、すぐ目に付いたのが太極拳。
スローなテンポで皆同じ動作、忍者が屋根裏を忍び寄る。あれだ!
中国に来た実感がジワジワとわいてくる。
・
道路清掃のおじさんと思いきや、そのほうきで道に字を書いている。
ほうきに見えたのは大きな筆で墨は池の水。
おじさん何て書いてるの?日本語で尋ねたが当然の如く返事はなかった。
・
・
・
・
剣を持って演舞をする長老、ダンスをしているご婦人方。
池の周りをただ黙々と歩く集団、すべてがマイペース、好きなことをやっている。
一体この公園にどれぐらいの人間が集まっているんだろうか。
しばらく歩くと体操チームと遭遇し、廣ちゃんがその中に混じった。
太極拳と一緒でスローモーション。
この中腰の体勢が非常にキツく、あっという間に汗びっしょり。
・
・
・
・
30人程のおばさん集団が何かつぶやきながら手拍子をしてる。
僕にはこう聞こえた
『 救命堂・ちゃ・チャ・チャ・どげじゃろかい・ちゃ・チャ・チャ 』
お経をとなえて幸せを願っているのか。掌の血行をよくしてるのかな。
・
・
・
・
日露戦争の激戦地203高地に午前中行く。
映画で見た乃木将軍はどんなところで戦っていたのだろうか。
バスの中ではラーさんが「会長さんは今日来ますか」と心配している。
ラーさん曰く
『この霧じゃ、飛行機は着陸できないかもね』
その日大連は霧が深く100m先も霞んでいた。
・
着陸できなかったらどうなるの?
するとラーさんが笑みを浮かべ『 北京に着陸するあるよ』
北京とな?大連から900キロはあるぞ。
幾つかの難関を乗り越えやっとの思いで乗った飛行機の行き先が北京とは。
大連と思い込み北京空港で僕らを探すんだろうな。
言葉も通じない他国に一人、しかも初海外。想像しただけも怖い。
バスの後ろでクスクス誰が笑っている。
最前列に伝わる頃には大爆笑になっていた。
コメント欄
コメントを投稿する