
インドぶらり旅③

ニューデリーから200㌔南下した町アグラにインドでもっとも有名なタージマハルがある。
入口には迷彩色の服をまとった軍人風の眼光鋭い男性がいて、厳しいセキュリティーチェックを受けなければ中に入れない。
しばらく歩いたその先に大きな楕円形の門、近づくにつれ下の方からタージマハルが顔を出した。何て美しいのだ。思わず息をのんだ。
建物に向かい延びる300㍍の細長い池に導かれ、イスラム教徒でもない僕らは、白い巨塔に一礼した。
思えば私たち、どの神様に対しても隔たりなくあがめ奉り候。
クリスマスにはキリスト様をケーキでもてなし、大みそかに仏様に百八の煩悩をはらっていただき、元旦は神社で天照大神に二例二拍手一礼。
1週間のうちに三大神をはしご参拝。インドの民には到底まねできない荒業である。
神聖な場所は土足禁止。靴の上からゴム付きのビニール靴カバーを履いて建物の中へ。
建てられたのは350年前。王妃の死を悼み17年かけて建てた霊廟(王者や偉人の霊をまつる建造物)。
全体が大理石でできており、石に埋め込まれた模様は、翡翠(ひすい)、水晶、トルコ石、サファイアなどの宝石がちりばめてある。圧巻でございました。
集合時間に1人足りない。修学旅行でよくある迷子になる生徒。携帯に出ないから困ったものだ。300㍍探しに戻ってみたものの、なんせ広いタージマハル。30分後ようやく、とんでもない所から秋田さんは現れた。
出口を間違え一度外に出ていたそうだ。夜じゃなくてよかった。
インドも決して治安がいいとはいえないしね。
同じ頃、友人の息子さんが、インドの下にあるスリランカに一人旅に出た。
初日に知り合った親切な観光ガイドに、夜中所持金すべて脅し取られたそうだ。
そう、秋田さんは迷子になった翌日、財布を盗られる前に、無くしたのだ。
お金よりキャッシュカードを使われたら少々の損害では済まないからね。
諦めていた翌朝バスの座席の溝から出てきて胸をなで下ろしていた。
もう一つ、倉本顧問の携帯充電事件。旅行前に買い求めた新品に充電ができないというのだ。
特に海外旅行で携帯はパスポートの次に大切なものだ。
秋田さんみたいに迷子になるケースや現在地の確認、何より連絡がつかない。
言葉の通じない異国に独りぼっちは辛くて怖い。
翌日、携帯とは全く関係のない日向の友人に顧問が電話している。
しばらくして返信がある。ご友人の娘さまがその関係の会社にお勤めになっており、親を通して遠隔操作で助けを求めたのである。
驚いたのは娘さまだ、インドの知らないおじさまに機種説明をすることになるとは。
しかし彼女のアドバイスは的確だった。「充電ケーブルを交換してください」。iPhone(アイフォーン)は、どの国でも対応する。
マールの友人がケーブルを交換すると充電メモリがみるみる上がった。
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