集会
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こどもの頃、誰しも「秘密基地」を造っていた。
出来栄えにムラはあるが、敵に見つからない様、いかに周りの環境に溶け込むかがポイントだ。
木の上、地下、浜辺、川原、四方八方に「とりで」を造りまくる。
食料は各自持ち寄るのだが、家庭の裕福さがそこで分かったりもした。
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リーダーの育ちの良し悪しで、部下の性格まで変わってしまう。
最悪のリーダーになるとチームを線路から脱線させ、
道徳の道とは随分とかけ離れた少年期を体験する事になるから困ったものだ。
ある年齢に達するとトップは年功序列に変わり、自分も良きリーダーになるよう努めた。
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この歳になっても、未だに色んなタイプのリーダーにお仕えしている。
30人程の会があり、その中で、また仲良し組が出来る。
リーダーは、大の日本酒党で、焼酎党が多い宮崎県日向市で一人浮いている。
ある日突然「日本酒の会」というタイトルで、秘密基地の住所がメールされてきた。
いわゆる家飲みで、集会場は会社の厨房だった。
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つまみは質素なものが好まれ、桝酒の角に盛った塩をなめながら飲むのが、通だとか。
チームに単身生活の長い料理好きの人がいて、彼がそのまま料理長に。
回を増すごとに、肴のグレードも上がり、新年会はすっぽん鍋だった。
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飲む酒はすべて「大吟醸 &
純米大吟醸」だというこだわり。
米を削り芯の部分で作る最高峰に君臨する日本酒なのでございます。
味はフルーティーな高貴な貴婦人の香りとでも申しましょうか。
拝見するに、この会の方々は転勤族が多く、遠くは福島の人もいらっしゃる。
だから焼酎よりも日本酒文化なのですね。
集会は、いつも8時前にはお開きになり、全員で一斉に片付ける。
流しの前に立ったリーダーを見て、いつも皿を洗う手が殺到する。
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