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2016年04月05日  カテゴリ[僕の友人達 ]

「くぶち罠」





東郷町の土田歯科クリニックの院長とは、もう長いお付き合いですが



いつ、どこで、どうして、親しくなったのだろうか。



そんな先生から昨日メールが入っていた。





西村君 「くぶち」ができました。60年前宇納間で作ったのを思い出し思い出し作ったので



匠の技までは行きませんが、出来あがったら、わくわくしました。  ー土田ー





先生の場合、予告もなく事が始まる。どうしてとか、なぜという疑問をはらい除かねば



その裏側にひそむ、神々(こうごう)しい、思想を読み取る事は出来ないので



僕は先生の前では、いつも自然体に構え、何が起きてもすべてを受け入れる様に心掛けている。



「くぶち」とは野鳥(雀クラス)を捕らえるための罠で、田舎の子供達の遊びです。



それに獲物が掛かる確率は低いのですが、先生は幼年期を北郷で育ち、



南郷生まれの僕とは波長が合い、少年時代の遊びをよく語り合う。



どうして急にその罠を60年経った昨日作ったのかは、分からないが

作れない僕は先生のご自宅の庭で「くぶち」を47年ぶりに見た。

先生の画期的な罠の構造に感心し、その足で「酒の宮崎」の角打ちに





隣りの個室を拒み、お客様が往来する酒の陳列してある店舗の入口の正面に座る。

自動ドアが開いた瞬間最初にお客様が見るのは僕の背中と、赤くなった先生の顔だ。

営業妨害と言われてもおかしくない場所に陣取れるのは、先生が常連の中の常連だからだと思う。

ドアが開くたびに背中がゾクゾクするが、先生はお客様の足の先から頭の天辺までなめる様に伺っている。



温めてもらったイワシの缶詰を塩で頂きましたが、只々うまい。



雲仙の牡蠣をビニール袋で持ち込んでいる僕は、厨房を借りるタイミングを会話の隙間に探している。



宮崎君に牡蠣のおすそ分けをすると、奥さんが「蒸してきましょうか」とありがたきお言葉。



ついでにレモンないかな?とあつかましく、おねだりをする。



ほろ酔い気分になると、先生はお酒を買いに来たお客様に声をかけ始める。



「君は何処から来たのかな」、先生の予告なしの直球に、後ずさりする青年。





彼は以前からこの店に興味があり、日本酒の好きな母親の為に延岡から来たらしい。



酒の銘柄を知らない青年は、宮崎君の「くめども尽きぬ酒の知識」をもう20分は聞かされクタクタだ。



宮崎君の哲学的なうんちくを聞かされると、マインドコントロールされ、どの酒でも美味しくしてしまう。





そのコントロールされた延岡君が、いざ帰らんと会計をしている後ろからの不意打ちだった。



17分の間に彼の個人情報をすべて聞き出し、牡蠣を土産に持たせ帰らせた。



先生は、初対面の誰とでも、すぐお友達になれる不思議な能力を持っていらっしゃる。










コメント欄

土田孝男 (2016年04月05日 18:22)

今度は高くぶちに挑戦します。

西村 (2016年04月06日 07:06)

いよいよ、匠の領域に挑戦ですね。
美々津ゴルフ場に、カートから食べ物を盗む、「いたずらカラス」がいて困っております。
6番ホールのグリーン横に巨大な「くぶち」をお願いします。
楠本海 (2016年04月08日 21:52)

ほんとにブログに書いてくれたんですね。
ものすごく嬉しいです‼
頂いた牡蠣は酒蒸しにして母に食べさせましたよ(°▽°)
今度は先生と西村さんとでいろんな話を聞きながら日本酒を呑んでみたいです‼

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