四国八十八が所巡礼の旅 ( その.3 )
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これを趣味にしている人がいたら、会ってみたいものだ。
今度で3回目になる「お遍路四国巡礼の旅」
この特殊な旅に何人となく誘ってみたが、誰一人として首を縦に振らなかった。
それどころか、「何かあったんですか?」と心配された。
妻のルーツが阿波だったばかりに、白装束に、杖を突き、鈴を鳴らして、寺参り。
もう一度言う、これを趣味にしている人がいたら会ってみたいものだ。
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うるう年の今年は逆から廻ると、ご利益が3倍になり、かなり混雑すると予想される。
昨年から参加している我々は、一番霊場から廻る順打ち、反対から廻る逆打ち、
順番を無視した乱れ打ちと、すべてをやってのけ、今なお継続中だ。
つまり、朱印帳に記された八十八ヶ所の寺がバラバラに塗りつぶされているでございます。
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普通に一番から廻れば徳島~高知~愛知~香川の順となるが、徳島はすでに制覇しており
今回、佐伯から土佐の国(高知)宿毛に渡り、讃岐(香川)を経て伊予(愛媛)へお国入り。
佐伯フェリーの出航が4:20だった為、日向を出たのが2時だった。
どうしてこんな時間を選んだのか、止まらぬあくびの涙をぬぐいながら思った。
港に随分早く着いたが、たった20人の乗船手続きに1時間も掛かったのは
受付の人が高齢であった事と、支払いがカードでOKで、その申込書に手間取った。
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高知は24番~39番までの17の寺があり、残した10カ所を逆から廻る。
仁王門で一礼し本堂、そして大師堂の順に、ろうそくと線香を立て手を合わせる。
神仏習合の霊場も多く、寺の敷地に赤く塗られた鳥居を何度も目にした。
有段者は「ぎゃーてい・ぎゃーてい・はーらーぎゃーてい」と般若心経をおとなえになるが
我ら初心者は白帯も締めておらず、只々手をすり合わせ、願いだけは「いくえ」にも重ねた。
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それにしても眠い、朝1時起きでハンドルをもう10時間以上握りっぱなしだ。
今夜は前回不発に終わった「高知ひろめ市場」の屋台村を探索。
此処で土佐名物の「カツオのたたき荒塩まぶし」をつまんで地酒を楽しみたい。
しかし、GWの初日は足の踏み場もないぐらいの満員御礼であった。
館内を2周したが我らを迎えるスペースは何処にもない。
椅子取りゲームのタイミングで、地酒専門店から出てきた客の温もりの残る椅子に尻をねじ込んだ。
心配していたビールも置いてあり、初日に流した汗を冷たいのど越しで補給する。
さて何を食べようか、地酒屋にしては、つまみが豊富にあるのは嬉しいではないか
するとGW期間中はこのメニューになりますと、手書きのB5サイズを渡された。
そして「カツオのたたき」は通常1200円ですが冷凍なので980円にしておりますと畳みかけ
他店からの持ち込みは禁止ですと締めくくったのでございます。
カツオの半解凍を、箸でつまんで口に入れた瞬間悲しくなった。
隣りの青年が「昨日、足摺岬で食べた物とは比べものになりません」とニヤリと笑った。
馬刺しは、不自然過ぎるほど赤く、ユッケ風にミンチになって出てきた。
青年はこれも食べたらしく、カツオ以上に不敵な笑みを浮かべた。
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ひろめ市場の和の中に、インド料理店は一際目立ち、店員もインド人のようだ。
地酒屋で腹を満たせなかった我々は、そのひょうきんなマハラジャに手を引かれて店の中。
日本語を喋れるのは一人のようで、彼から店員に指示が出されている。
注文した料理が出てこないと不愉快になる15分をとうに過ぎ、
日本語の理解できる彼に「まだなの?」と問いかけると、ものの五分で持って来た。
焼き立てのモチモチしたナン、大きさはテニスのラケットぐらい、美味しかったです。
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