モウ半分、クダサイ

こんにちは、田中です。

図書館で装丁に魅かれて読んでみました「モウ半分、クダサイ」。

黒い背景に描かれた美しくもこちらをにらみつけるかのような不気味な女性のイラストに魅かれて即決で借りていました。

表題がひらがなでなく片仮名を使用している所も不気味に感じるんですよね。

自分でもどうしてだろう、と考えてみたのですがカタカナで話し言葉を書かれるとそれは人ではない異形のものの言葉に見えるからかなぁと。人と化け物の表現の使い分けの認識があるのだと考えれば納得できる気がします。

このお話は落語を中心に進んでいくお話で、とある男が一本の落語を聞いたことから話が始まります。

ただの落語のはずなのにそれはなぜか自分の過去の悪行を彷彿させる……。

誰も知らない、ばれてはいけない過去を知られているのでは……？疑心暗鬼になっていく男の様子が丁寧に描かれています。

私は落語に詳しくはないのですが、こんなに恐ろしいものもあるんだというようなお話が題材にされていて面白かったです。ブラックジョークがきいていて笑い飛ばすような感じではないですが……。いろんなテイストのお話があるんだろうと興味が惹かれました。今回はそれをベースにした物語でしたが落語そのものに焦点をあてた書物も読んでみたいと思います。

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惑いの森～50ストーリーズ～

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