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2015年10月02日

#3 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

■宇宙船と音楽にノッて銀河をめぐる大冒険



昨今、アメコミ映画に哲学的思想や政治的な要素を上手く盛り込んで良質な作品をバンバンと世に放ちまくっておりますが、今作は徹底的にエンターテインメント全快の娯楽作だ。

観終わった後に、「あぁ、たのっしい映画観たなぁ!」と心の底からサムズアップできる!純粋なほど単純で、だからこそ夢中になれる良質な娯楽作品だ。

あらすじと要約すると、銀河に散らばるジャックアス(馬鹿野郎)たちがチームを組むことになっちゃって、いつのまにか銀河の守り手"Guardians of galaxy"になっちゃう、という子供心のど真ん中にストライクなお話だ。

元々はアメコミ好きでも下手したら知らないぐらいのあまりスポットが当たっていなかったアメリカンコミックが作だ。マーベルがとりあえず権利を持っているものは片っ端から映画化しまくるぞ!ってことで作りやがったのかな?と思いきや、これが仰天するほど面白く、アメリカでは記録的な大ヒットをかっ飛ばした。

今作はヒーローたちがヒーローなのに抜けていて、ビシッと決まりそうな場面でもスカシを入れる、というギャグのはさみ方がとてもいい。

主人公「俺の名はピーター・クイル、またの名を…スター・ロード」
敵「誰?」

とまぁこんな感じで、何度も何度も「えっ?そこでもふざけますか!?」ってシーンの連発。特に最後、悪役とのシーンは「ばっかじゃねーの」と腹抱えた後に「ヤッベェ!超かっちょいい!!」となるよ。

そしてこの映画で忘れちゃいけない特筆ポイントは音楽の使い方だ。

さて、人は遠い遥か彼方の銀河の物語を見てもなぜワクワクすることができるのか?『スター・ウォーズ』は過去の映画や神話、聖書などからかなり引用し、そして上手くミックスした為観客の心を銀河の彼方へ馳せることに成功した。

では今作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では何か?

それは音楽である。

主人公のピーターはカセットテープで音楽を聴きながら冒険している。彼のカセットテープは70~80年代にアメリカでヒットした曲ばかり収録されていて、耳なじみのある方も多いはず。この要素にもちゃんと理由はあるし、曲を使うタイミングと映像の見せ方がとにかくカッコイイ!

フォースが『スター・ウォーズ』と観客を繋ぎ止める力としたら、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と観客を繋ぎ止める力は音楽だ。

大迫力の映像と個性豊かなキャラクターたちによって目を楽しませ、どこかで聞いたことのある懐かしい曲で耳を刺激する。だからこそ、心が躍ることができるんだ。

ちなみに映画内で登場するカセットテープの曲を収録した"Awesome Mix, Vol1"はアメリカのビルボードで一位を獲得した。オリジナル曲が一曲も入っていないアルバムが一位を獲得したのは史上初めての快挙。


次回は今年一番人々を狂わせた映画、観るドラッグこと『マッドマックス 怒りのデス・ロード』について10/9に投稿予定。

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