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2015年10月23日

#6『ピッチパーフェクト』

■アカペラとエロと下ネタが奏でるハーモニー



今現在2が公開されますが、その前にようやく日本でも見ることができるようになった第一作目について今回はご紹介。

大学の女性アカペラサークルがコンテスト優勝を目指すガールズ青春ドラマ、といえばそれまでなんだけど、これがとてもギャグが効いて最高に楽しい映画だ!

開始五分で『エクソシスト』並のゲロを噴射して、そしてすぐ後にYMOの「ライディーン」のPVのようなクールなオープニングへ突入!この時点でなんか楽しそうなの始まった!って思えるし、そしてその印象は裏切らない。

ポスターや宣伝、予告編ではひた隠しにされていた下品で口の汚い言葉、そして身体を張ったギャグがとにかく面白く、そしてそれをぶっ放すのがほぼ女性というのがとてもいい!

「あたいら、女だって体張ってギャグやりますから!」というのがビンビン伝わってくるし、男どもよりイカしている。クールとホットは共存できるんだよ!ってことを魅せてくれるぜ。

黒人でレズビアン、お股が開放的な女の子、元気一杯のおデブちゃんに口がべらぼうに汚いリーダー、しまいには趣味は放火というアジア人とまぁ個性のキーが高すぎるキャラクターたちがとにかく笑わせてくれる。

個人的に一番ヒットしたセリフは、

"I'm gonna have to excuse myself to freshen up the downtown"

"Can I help?"

意味は本編見てからのお楽しみ。ド下ネタです。

そしてそんなバラバラな彼女達が調和してゆき、聞き応え十分なアカペラを披露してくれる。目だけじゃなく、耳まで楽しませてくれるぞ。

映画の最後に披露されるステージはあの『セッション』並に気持ちを奮い立たせてくれるし、最後にガッツポーズしたくなるほどのカッコよさだぜ。

さて、こんな元気いっぱいギャグいっぱいの映画のベース音を奏でるのは1985年に公開された映画『ブレイクファストクラブ』だ。

作中でも何度も言及されるし、「さぁみんなで順番にカミングアウトタイムよ」からの大爆笑シーンはこの映画へのオマージュだ。でもその映画を観ていない人にもしっかりとご楽しめる作りになっている感じがウェルメイドでステキだ。

つまり、観ていなくても楽しめる。が、観ていたらラストシーンはテンションガン上がりするぜ!!

そして根底には『ブレイクファストクラブ』のテーマにも繋がる"自分とは考え方や生きる世界が違う者でも分かち合えるものがある"ということがあり、そして"自分とは違う者達を受け入れ、繋がることが強さなんだ"、ということをメッチャカッコイイハーモニーにのせて描いているあたり単なる引用じゃない。超クールなリミックスだ。

いいよ、これ!過去の映画を見事にサンプリングしつつ、ギャグのフューチャリングと、最高にアガる曲と映像でまるで映画が楽しく踊っているようだ。

身体がノッて心が叫びだしそうなぐらいに元気になれる、"Pitch Perfect"な映画だ。

ちなみに、英語で鑑賞すると登場人物がやたら言葉の頭に"アカ"とつけてくる。これは恐らくアカペラのアカ。"excuse me"は"acascuse me"といった感じでね。他には"aca-ward" "uca-believable"といった感じの細かいギャグ。

まぁ、とにかくアカセレントな映画ですぜ。

次回は、秋深き時節柄、

ホラー映画『ハロウィン』
について10/30に紹介予定。

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