2015年10月31日
#7『ハロウィン』
■モダンホラーの嚆矢となった低予算ホラーの金字塔
「ハロウィンの夜にはブギーマンがやってくる」この日に取り上げないでどうする!ホラー映画の様式はこの作品で完成された。随所に職人監督ジョン・カーペンターの演出の手腕が光る作品だ。
ハロウィンの夜、ある家で親がいないのをいいことにウキウキセックスをする一組のカップル。その様子を外から眺める影。オープニングは途中からそのカップルを覗き見している人物の主観になる。セックスが終わって、そそくさと帰る彼氏を見た後(ちなみに 映画史上最も早いスピード営みを完了させる)、その人物は家の中に入る。女性のいる部屋に入るやいなや手に持っていた刃物で殺害。そして外に出たとたん、大人に被っていたマスクを取り外される。
「マイケル!なにをやっているんだ?」
女性を殺したのは小さな男の子だった。そして殺した女性はその子のお姉さんだった…。
とにかくジョン・カーペンターの演出力が素晴らしいの一言に尽きる!この作品の亜流作品がたくさん作られたが、それらが『ハロウィン』に遠く及ばないのは、演出の力が段違いだからだ。
長回しの多用、主観ショット、奥行きを計算した画作りが抜群に凄い。
特に強調したいのは「画面の奥で何かが起こっている」という画面の作り方だ。手前ではなく、道路をはさんだ向こう側でだったり、部屋の奥だったり、家の外だったりと遠いところで誰かがこっちを見ているという演出がかなりたくさんある。
今のホラー映画に見慣れている方からすればかったるいなぁとか、テンポが遅いなぁという感想もまぁわかるが、洗練された演出によって怖さを生み出そうとする手法を是非味わってほしい。強引な力任せのホラーもいいが、派手なだけじゃなくてしっかりと凝っている恐怖もいいもんだ。コスプレと一緒です。
スラッシャー・ムービーの元祖であり、あまりにも多くの映画に影響を与えた傑作だ。そしてホラー映画は低予算ででっかく当てちゃう可能性もあるよ!ってことを最初に示した映画でもある。
「ハロウィンの夜にはブギーマンがやってくる」
ハロウィンの夜、
「マイケル!なにをやっているんだ?」
女性を殺したのは小さな男の子だった。
とにかくジョン・
長回しの多用、主観ショット、
特に強調したいのは「画面の奥で何かが起こっている」
スラッシャー・ムービーの元祖であり、
ハッピーハロウィン!そしていいナイトメアを。
次回は、子供向けアニメかと思ったら全世界の大人がひっくり返った問題作。
『レゴ・ムービー』を11/6に紹介予定。
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