丸一不動産
2026年04月20日
屍者の凱旋
こんにちは、田中です。

今回は、先日読んだ小説 『屍者の凱旋』 のご紹介です。
本作は井上雅彦さんが監修を務めるアンソロジーシリーズ「異形コレクション」の第57巻で、テーマは“ゾンビ(生ける屍)”。
全編書き下ろしの短編が15篇収録されています。
異形コレクションを今回初めて知り、少し調べてみたところ、
「吸血鬼」や「人魚」などの人ならざる存在を扱った巻から、
「グランドホテル」「ダーク・ロマンス」など場所や概念をテーマにした巻まで、
さまざまな“異形”を題材にしたアンソロジーシリーズのようです。

今回のテーマは“屍者”、つまりゾンビ。
これがまた、15編すべて世界観がまったく異なり、どれも個性的でとても面白い。
最初に手に取ったとき、ゾンビと聞いて真っ先に思い浮かんだのはゲーム『バイオハザード』でした。
といっても私はプレイしたことがなく、映像や人が遊んでいるのを横から見た程度なのですが、
どうしても「ゾンビと言えば人を襲う」イメージが強かったんです。
なので、そういう話ばかりなのかと思っていたのですが――全然違いました。
もちろん、人を襲うゾンビを描いた作品もありますが、
むしろ ゾンビが日常生活に溶け込んでいる世界 を描いた話が多く、その異様さがとても魅力的。
ゾンビがそういうものとして受け入れられている社会の描写は、
のどに小骨が引っかかったような、どうしようもない違和感を生み、先が気になって仕方ありません。
さらに、どの作家さんも“腐りゆく肉体”の描写が圧巻で、読んでいて背中がぞわぞわするほど。
どうしてあそこまで詳細に書けるのか…まるで実物を見てきたかのようなリアルさで、思わず舌を巻きました。
あまりの生々しさに「もうやめてくれ〜」と思う瞬間もありましたが(笑)
個人的に特に印象に残ったのは、空木春宵さんの 「ESのフラグメンツ」 という短編です。
内容ももちろんですが、文章構成がとても独特で面白い。
ページの上下で文章が分かれており、上段は地の文、下段は上段にある注釈を主人公目線で解説している形式になっています。
これが物語としてだけでなく、作品全体のテーマを強く印象づけていて、とても感動しました。
ほかの短編も十人十色で読み応えがあります。
気になった方は、日向市図書館にもありますのでぜひ一度手に取ってみてください。
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